2022年11月28日月曜日

芸術における伝統と創造

 NHK日曜美術館(曜変天目 丸の内へ 静嘉堂 夢の新美術館オープン 2202.11.27)を見たが、伝統の継承と創造についての解説が印象的だった。「継承というのは、前にあった美しいもの、素晴らしいものを模倣して繰り返すだけでなく、自分の持っている才能を全てを出して新しいものを加えていき、発展的につないでいく」「発展的な継承なくして創造はなく、創造なくして発展的な継承もない」というような内容だった。
 一つの例として、尾形光琳作「住之江蒔絵硯箱」が紹介された。藤原敏行による「住之江の岸による波よるさえや/夢の通い路人目よくらむ」からイメージを得て制作されたものだが、自ら内箱蓋裏に「光悦造以写之」と書いている。解説によれば、「光悦のデザインを光琳はそのまま用いて、そこに自分の美意識を加えて新しい作品を造った。継承と新しい創造というのがうかがわれる」という。

尾形光琳作「住之江蒔絵硯箱」

 次に、酒井抱一作「波図屏風」も紹介された。抱一は依頼主への手紙の中で、「に触発されて描きました」と書いている。抱一は荒々しい波が金地に描かれた「波濤図屏風」に感銘し、「光琳の波の形を取り入れながら、金から銀へ、一層大きくうねる波へと変貌させた」のである。

尾形光琳作「波濤図屏風」

酒井抱一作「波図屏風」

 そういえば、2022年11月20日放送の日曜美術館「安藤忠雄 魂の建築」でも、伝統の継承に力を入れている安藤忠雄さんの建築が紹介されていた。メモによれば、彼は、「過去と現在が向き合、対話するダイナミックな空間の設計をする」。「古い建造物に新しい命を吹き込む」。だから、彼が設計建築したものは、「古い建造物と現代建築の調和バランスはが見事」だという。ここにも、伝統と創造が見事に実現されていると言える。

0 件のコメント:

コメントを投稿