現在の資本主義システム危機を通じて、国際・国内関係の破綻を避け、進行する不均衡を是正する方向が可能であることを見た。それは、個人一人一人の価値観、地域社会と市場・企業関係の再編、そして民主主義の復活と公共空間の拡充による国家の再構成を通じて、可能となる。それは、国家につきものの暴力性(ギデンズ 一九九九)を軍縮の努力を通じ減らして、グローバルな平和社会への国際協力を通じて実現する性質のものである。(『2030年未来への選択』、西川潤著、日本経済新聞出版社、2018年、p268)このような社会を実現するためには、「立憲主義のダイナミズム」というのがキーワードになるようである。憲法には、「国家権力を規制するという通常の意味と共に、そのダイナミクスを示し、国家=社会をつくり上げていく、あるいは再構成していく力」という。この後者が「立憲主義のダイナミズム」というものなのだ。この言葉から思い出されるのは、日本国憲法第一二条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」という部分で、この部分の発展型、その具体化として、「立憲主義のダイナミズム」が存在していると考えられる。
ここで明らかなことは、未来社会に向かって「軍縮の努力」は避けて通れないということであろう。2021年11月24日NHK放送の歴史探偵は「江戸の天才たち」だった。江戸時代、それは世界的な才能が花開いた時代だった。最先端の望遠鏡を独力で作った職人や世界レベルの数学理論を構築した和算家をはじめ、天才たちが次々登場したという。それも、200年続いた平和があったからだと言われている。それだけ、平和というものが重要なのに、日本は、アメリカと一緒になって「軍拡」という逆行路線を走っている。なんとしても、歯止めをかけたいものである。
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