朝日新聞の声欄で、「(声 どう思いますか)政治家のことば」という特集があった。その中に、私が抱いてきた防衛関係の言葉の違和感、例えば武器=防衛装備品、武器の輸出=移転といった言葉に対する違和感を述べた投書があった。しかし、虚飾発言では生ぬるい。単なる虚飾ではなく、意識的な騙し言葉だからだ。とはいえ、よくこうもまとめてくれた。
「虚飾発言」の数々、だまされぬ
無職 足立豊(長野県 72)
憲法上保有が許されない「攻撃型空母」を単に「多機能」なだけと強弁し、「武器」を「防衛装備」、「輸出」を「移転」、「敵基地攻撃能力」は「自衛反撃能力」と言い換える。「元徴用工」は「朝鮮半島出身労働者」と矮小(わいしょう)化。米国務省から「強制労働」と指摘されたこともある外国人技能実習制度を政府は今も「国際貢献」の名目で続けている。
福島第一原発の汚染水漏れを「アンダーコントロール」と述べた元首相は最近、「皆さん、どうやって日銀は政府が出す巨大な国債を買うと思います? 紙とインクでお札を刷る。20円で1万円札が出来るんです」と講演して回っているらしい。総務省幹部と自身の長男が関与した不祥事について、前首相は「政治責任の定義というのは、無いんじゃないでしょうか」と開き直った。
自民党総裁選でも大いなる矛盾を感じた。子ども重視と言う一方で、財政規律を無視し、将来世代へのツケ回しにつながりかねないバラまき政策を臆面もなく訴える。何という軽薄さ、何という無責任。ため息をついてばかりの毎日だが、我々は政治家の虚飾にまみれた発言や詭弁(きべん)に決してだまされてはいけない。
それでは、騙されないために、どう注意すれば良いか。言語学者の松田謙次郎さんによれば、「政治家が発する巧妙な言い換えに慣らされてはいけないし、発言の裏に隠された意図や矛盾を見抜く努力を怠ってはいけない」こと、さらには、「関西風ツッコミを忘れないこと。『自民党をぶっ壊す!』には、間髪入れず『アンタも自民党やん』と。平凡ですが、これが政治的コミュニケーションの神髄」だそうです。
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