2021年10月30日土曜日

200年間戦争をしてこなかった国

 安全保障政策の柱は「国際社会の中での信頼を得ることに力を注ぎ、攻められない国づくり」であると、前から思ってきた。この思いが、『180年間戦争をしてこなかった国』(早川潤一著、Sanwa、1999年)を読んで、一層強くなってきた。この本が出版されてから20年は経っているので、スウェーデンは200年も、戦争をしてこなかったことになる。それだけに、スウェーデンの政策には重みがある。
 特に、外交政策の基本要素として「人権尊重、民主主義、法の支配、国際軍縮、環境保護など」を掲げ、北欧諸国とは、「社会福祉、共同労働市場など広範な協力関係にある」ことは、大いに学ぶべきことだと思う。そして、アジア地域の緊張関係は、一刻も早く解消し、協力関係を築いていく必要があろう。

 スウェーデンは、その中立外交政策の基礎として、国際協力に積極的に参加し、国連に対して強力な支援をしている。さらに人権尊重、民主主義、法の支配、国際軍縮、環境保護などが外交政策の基本要素となっている。また、国民総所得の約一%を国際開発援助に充て、その他数多くの国際組織に加盟している。北欧諸国とは、社会福祉、共同労働市場など広範な協力関係にある。
 こうした国内・国際政治の結果として、スウェーデンは、国内的には一八〇年間戦禍に巻き込まれずにすみ、国土は破壊されず、国民は戦争の恐怖と体験を避けることができ、福祉国家建設に取り組むことができたのである。このことは国民と政治の間の信頼感を高めることができた。
 さらには、他国を攻撃しなかったということや数々の国際援助活動によって、他国からも政治的・経済的な信頼感を獲得している。これは、「平和への戦略」の大いなる勝利といえるのではないか。私にはそのように思えてならなかった。(180年間戦争をしてこなかった国』、p168〜169)

 著者の早川氏は、最後に「先進国として世界に信頼される水準の高い民主国家となることが必要であろう。それが、誰もが安心して生きていける平和国家の基礎をなすのだと思う」(上同 、p170)と結論づけていたが、至言である。

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