2021年10月12日火曜日

第三の道=コモンや脱成長

  岸田総理は、金融所得課税見直しについて言及していた。しかし、結局棚上げされてしまった。高所得者への優遇処置は、相変わらず続くことになる。そこで思い出したのが、朝日新聞GLOBE(2021年8月1日)の斉藤幸平さんへのインタビュー記事「いま若者の間で『資本論』が熱い」である。斎藤さんの提起は、「水、電力、医療、教育などを公共財として民主的に管理するという『コモン(共)』や脱成長を『第三の道』として提示」したことでわかりやすい。

 斎藤の特徴は、一党独裁やあらゆる生産手段の国有化といった旧ソ連の社会主義とは全く違うマルクス論を展開していることだ。冷戦崩壊後に公刊されたマルクスの新資料をひもとき、水、電力、医療、教育などを公共財として民主的に管理するという「コモン(共)」や脱成長を「第三の道」として提示する。「すべてを商品化する資本主義でもソ連型社会主義でもない、もっと別の生活に移行した方がみんな豊かになる、という大きなビジョンを待ちわびていた人がたくさんいた」消費主義が染みついた価値観そのものを変え、一部が独占するのではなく、より平等に共有していく。そんな考えはどこまで支持を集めるのか。斎藤は「すぐにマジョリティーになるとは考えていない」という。ただ、重要な転機になる可能性がかつてないほど出てきているとも感じている。

 この記事の中で、興味のある二つの図が示されていた。「世界の富のピラミッド」は、クレディ・スイス・リサーチ・インスティテュート「グローバル・ウェルス・レポート2121」の推計から作成されたものだが、世界の富の46%を世界成人人口の1%で独占していることになる。逆に、世界成人人口の55%の富の合計が、世界の富の1%にしかならないことになる。その結果、「世界の半数近くが一日5.5ドル(約600円)未満で暮らす」ことになる。


 

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