2021年10月24日日曜日

自殺をせずに生きるには

 自殺まで考えて、自殺をせずに生きるにはどうすればいいのか、その答えが、読書メモにあった。「それには、ただひとつ、自分自身と対決するしかない。他人とはちがう自己という存在と向きあい、それを育てることである。自己を育てるとは、心に秘めた目標や願望に向かって努力することに他ならない」(『名作はなぜ生まれたか』、木原武一著、同文書院、p93)
 自殺まで考えたヘルマン・ヘッセの願望は、詩人になりたいということだった。「ヘッセにとって神学校での勉強は頭痛を誘ったが、詩人になるための勉強なら少しも苦にならない。仕事のかたわら、文学、芸術、哲学などを独学で学び、二十五歳の時に出版した詩集によって、詩人として知られるようになった」(同上)ヘッセは、願望を達成する努力を通して、自殺の危機を乗り越えたようである。
 自殺までいかなくても、生きる意欲が減退したり、といった心の危機というものは誰にでもある。老年期に入ればなおさらであろう。これらの対策も、自分と向き合い、自己を育てる努力によって乗り越えていけそうだ。
 人間に完成形というものはない。体には限界があって衰えてきても、脳の発達には限界がないようだから、生涯にわたり、自己成長をし続けることも可能であろう。生涯学習という言葉もある。老人人口が増えてきている日本にとっては、生涯学習がキーワードになるのかもしれない。

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