2021年9月4日土曜日

時代の思想とは何か

 昔、太陽やその他の星が地球の周りを回っていると信じられていた時代があった。いわゆる天動説だ。しかしやがて天動説は地動説に取って替わられた。よく考えると、天動説では説明できないことも明らかになってきたからである。
 日本における戦時中の時代の思想は、絶対的天皇制の元での大東亜共栄圏の思想等が支配的だった。いわゆる知識人といわれた多くの画家や音楽家、小説家も、当然教育者も時代の思想に添う生き方が主流だった。
 再放送されている連続テレビ小説「あぐり」で、戦後、自分が書いた文章が多くの若者を戦地に送り出してしまったことで苦しむ「詩人で小説家」が描かれていた。多くの子どもたちは、軍歌を歌ったりして軍国少年少女になっていった。そして、時代の思想に抵抗する人たちは、迫害されたり投獄されたりした。科学者の武谷三男さん、哲学者の三木清さんや、『貧乏物語』の著者で経済学者の河上肇さんたちだ。河上肇さんは、次のような詩を残している。
十年まへのけふは
身に囚衣を纏ひ
手錠をはめ
強盗犯と繋がれて(『旅人 : 河上肇詩集』、興風館、1946年)
 それでは、今支配的な時代の思想とは、どのようなものだろうか。私たちが乗っている大きな船は、どんな方向に向かって進んでいるのだろうか。
 私は、形を変えた天皇制(「奴隷根性が抜けきれない日本人」や「世襲を怒れ!世襲を断ち切れ!」)と安保条約による「米日従属構造」こそが、時代の思想といわれるべきものではないか、と思っている。

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