画家など芸術家に長寿者が多いと言われている。葛飾北斎は、「九十歳で絵の奥意を極め、百歳で神妙の域に達するであろう」という言葉を残しているが、私の印象では、<葛飾北斎のような強烈とも言える創作意欲が大脳の活性を持続させ、寿命を引き延している>と考えている。だいぶ前に書いたことを読み返し、考えたことである。
日本の平均寿命は世界一ということで、日本食が見直された次期がある。そんなこともあったからか、日本がとりわけ平均寿命が長く、先進国と言えども他の国の平均寿命は日本ほどではない、そう思い込んできた。しかし、2009年の統計を見て驚いた、1位日本の平均寿命が83歳に対して、3位イタリアで82歳、12位フランスでも81歳と、日本とさほど変わりないのである。
このような事実は、「平均寿命に食文化の違いはあまり関係ない」ことを示している。食文化よりは、先進国の経済的な発展と、それに伴う文化の発展、IT技術の発展と普及が脳の発達を促し、脳の発達が先進国の平均寿命を伸ばしてきたに違いない。
ホルモンや自律神経の働きが健康に大きな役割を果たしていることは自明のことであり、そのホルモンや自律神経の働きが脳の発達に大きな影響を受けることもまた、自明のことである。脳の発達が健康に大切な所以である。
人類がこれまで発達してきたのも、脳の発達なくしてありえなかった。その大きな要因は、文化の伝承ではないだろうか。脳の発達が、よりよい文化の伝承を上手に継承することを促し、逆に、より良い文化の伝承が脳の発達を促す、こうした相互作用によって健康長寿をもたらされたと考えたのである。(2012年7月15日記)
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