2021年5月3日月曜日

「崇高な遺産」としての原爆ドーム

 雑誌『PHP』で、2020年の1年間「藤城清治の影で尋ねる日本」が連載された。その中の、7回が「長崎山王神社の一本足の鳥居と大クス」8回目が「広島の原爆ドーム」だった。原爆ドームのことを「未来の平和のために遺した崇高な遺産」と表現されていたのが印象的だった。

広島の原爆ドーム
 ぼくが米軍の本土上陸間近い、九十九里浜の海軍基地にいた時、原爆が投下された。
 戦争の苦しみや悲しみも、やがて風化し、戦争を体験した人も少なくなるなかで、
 ぼくも年を取る毎に、原爆ドームを光と影で描きたいと思うようになった。
 原爆の熱と爆風の洗礼 洗礼を受けた煉瓦や鉄骨は、悲しく美しい無限のメッセージを持つ。
 原爆ドームは二十万人の命を犠牲にして、未来の平和のために遺した崇高な遺産だ。(『PHP』、2020年8月号)

長崎山王神社の一本足の鳥居と大クス(長崎県)
  山王神社の二の鳥居は原爆で片足が飛び、1本足で立つ姿がけなげで美しい。
 鳥居は一九二四年の建立で、ぼくの生まれた年と同じだけに強く胸を打つ。
 樹齢五百年と言われるクスの木も爆風で吹き飛ばされたが、奇跡的に新しい芽が出て
 今では日本の大クスになり、 人々の心を奮い立たせ、長崎原爆の唯一の生き証人になる。(『PHP』、2020年7月号)

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