ワイマール共和国は、ヒトラー政権の誕生によって短い命を葬られてしまいました。しかし、さまざまな成果を遺産として残してくれていました。その中に、「戦争のない国という理想像」を見出すことができました。それは、次のような、シャンソンで”右翼の喜ぶ 再軍備のシグナル”を風刺したものです。
武器を全部溶かしてしまい、
それで子供たちのためのベットを作れ。
すっかり切り換えられた巡洋艦(クルーザー)に乗って、
人々が楽しく世界へ出ていく。(『ベルリン 1928-1933』、平井正著、せりか書房、1982年、p75〜76)
私は、最初の一行を読んだとき、とっさに戦後に文部省によって発行された『あたらしい憲法のはなし』に掲載されていた「武器を溶かしている絵」を思い出しました。この著者は、この歌詞を知っていたかのような絵です。
この絵を探したついでに、戦争放棄の項を再読してみました。改めて、その素晴らしい内容に驚きました。ここに、世界平和への道が示されていたのです。
よその国と争いでとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの国をほろぼすようなはめになるからです。また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。そうしてよその国となかよくして、世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の国は、さかえてゆけるのです。みなさん、あのおそろしい戦争が、二度とおこらないように、また戦争を二度とおこさないようにいたしましょう。(『あたらしい憲法のはなし』、文部省編、実業教科書、1947年、p20)

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