2023年3月19日日曜日

米国の罠に落ちる日本

 食料自給率の低さについては何度も言及してきたが、『文藝春秋』(2023年4月)を読むかでは、強かな米国の食糧戦略までは知らなかった。鈴木宣弘氏に言わせると、なんと、米高官が「日本を脅迫するなら食料輸出を止めればいい」と発言していたというのだ。その上、「もはや日本人の胃袋はアメリカに握られていると言っても過言ではない」らしい。全く情けない。このような背景があるから、卑屈なまでに米国の言いなりなのだろうか。
 鈴木宣弘氏の著書を調べて興味ある著書を見つけた。次の二冊である。
1、『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』、鈴木宣弘著、文藝春秋、2013年:遺伝子組換え作物が在来作物を駆逐し、ごく少数の多国籍企業が種子の命運を一手に握る。金の論理で「食」をコントロールするアメリカの狡猾な戦略を前に、無策の日本はどうすべきか。危機の本質と処方箋を考える。
2、『農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機』、鈴木宣弘著、平凡社新書、2021年:食と農を犠牲にした貿易の自由化、種子法廃止・種苗法改定…。“農業消滅”が現実のものになろうとしている日本で、食の安全保障を確立することができるのか。農政の実態を明らかにし、未来を守るための展望を記す。

 日本はアメリカから早い段階で大豆やトウモロコシの実質的な関税撤廃を受け入れさせられ、小麦も輸入数量割当制は形式的に維持しつつも、大量の輸入を決めたことで、伝統的な穀物生産は壊滅してしまった。その結果、現在、小麦は八四%、大豆は九四%、トウモロコシは一〇〇%に達するほど輸入依存度が高まったのである。一九七三年、アメリカのバッツ農務長官は「日本を脅迫するなら食料輸出を止めればいい」と豪語したほどで、もはや日本人の胃袋はアメリカに握られていると言っても過言ではない。
「食料は武器より安い武器」と考えたアメリカの戦略は実に巧みだった。日本人の胃袋に小麦を押し込むため、主食のコメを問題視する激しいプロパガンダすらも行ってきたのだ。いわゆる「洋食推進運動」である。(鈴木宣弘著「日本の食が危ない!」『文藝春秋』、2023年4月号、p102)

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