「いま、なぜ目録か(ネットで検索できるのに)」という書評で、『岩波新書解説総目録 1938-2019』(岩波新書編集部編、岩波書店、2020年)の存在を知った。1938年の創刊以来、3400点あまり刊行されてきた岩波新書の歩みをたどる総目録で、2019年12月までに刊行された全書目の書名・著訳編者名を刊行順に網羅し、その内容解説文が掲載されているという。書評でなるほどと思ったのは、目録を読むということは、本屋さんや図書館の書棚に並べられた本を物色するようなもの、ということだ。
たとえば、「書棚には、限られた空間に本が並べられている。こう言えばたいしたこともないようだが、これがうれしくありがたい。書棚の前に立つと、自分では思いつかない本が目に入る。そこには発見と驚きがある」(山本貴光著『群像』、2020年9月、p532)。そこは「未知との遭遇のための空間だからだ。目録にもこれと似た効果がある」(p533)という。図書館が好きでよく行くが、書棚の前での発見と驚きはよくわかる。
最近手にした『松岡正剛千夜千冊』は千ページもある分厚い本だ。それが何巻も出版されている。この本も、考えようによっては、松岡正剛によって分類された書棚が出版されたようなものと言える。だから、その中から一冊でも気に入った本が見つかればいい。そんな読み方だできる本である。
0 件のコメント:
コメントを投稿