朝日新聞(2012年07月24日)に、「100年後の評価にも耐えられる教訓に」という畑村・政府事故調委員長の7項目の所感が掲載されていた。そのうちの3項目の中に、これだけは国民の中に周知してもらいたいということが書かれていた。
一つは、「あり得ることは起こる」のは当然として、「あり得ないと思うことも起こる」ということ、つまり、この度は「想定外」という言葉が免罪符の役割を果たしてきたところがある。しかし、「(あり得ない)想定外」のことも起こり得るという指摘は重要で、このような認識に立脚すれば、とても再稼働などできない。
二つ目の「見たくないものは見えない」や、三つ目の「思いつきもしない事態も起こり得る」も、結局、一つ目の「想定外のことも起こり得る」と同根で、原発の事故原因は、想定外の「全電源喪失は起こらないとの前提の下に全てが構築・運営されていたことに尽きる」ということになる。
(1)「あり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる」 今回の事故の直接的な原因は「長時間の全電源喪失は起こらない」との前提ですべてが運営されていたことに尽きる。本来「起こりうることは起こる」と考えるべきだ。重要なのは経験と論理で考えることだ。
(2)「見たくないものは見えない。見たいものが見える」 自分が好ましいと思うものや、やろうと思う方向だけを見がち。東電の災害対策でもこのような心理的影響が垣間見える。自分の見方が偏っていることを常に自覚し、見落としがあると意識する必要がある。
(3)「可能な限りの想定と十分な準備をする」 今回は想定を超える津波に襲われた場合の備えがなかったため対応できなかった。思いつきもしない事態も起こり得るとの発想で十分な準備をすることが必要だ。(『朝日新聞』、2012年07月25日)
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