2023年1月13日金曜日

ホブスンの『帝国主義論』4

 何ということだ。帝国主義として働く力の根源は、「需要を上回る過剰な生産」という、これほど単純のことだったのだ。ホブスンの『帝国主義論』によれば、「輸出貿易をさらに、拡張しようと駆り立てる、最もつよい力が、国内市場の需要を上回る資本主義的生産過剰であったことは、やはり間違いない」(p12)。「換言すれば、過度の蓄積と不十分な消費があったのである」(p13)とも書かれている。
 ここで兵器弾薬など軍事産業の商品のことを考えてみよう。平和である限り消費が不十分なことは猿にでもわかる単純なことだ。演習という形の消費など高が知れているからだ。つまり、ロシアとウクライナに働いた根源的な力は、
「需要を上回る軍需商品の過剰な生産」と考えても決して間違いではない、ということである。
 さらに言えば、軍事産業が存在し続けるためには、平和では困る。この真実に気づかない限り、ここに存在している矛盾に手をつけていかない限り、戦争は決してなくならない、ということでもある。
 問題は、ホブスンやレーニンが、この点に気づいているかということだ。戦争をなくすという発想自体がないかもしれないが、人の命や環境のことを度外視し、儲ければ何をしてもよいというようなことは書かれているかもしれない。いずれにせよ、ホブスンやレーニンの『帝国主義論』のアップデートが必要なのかもしれない。

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