斉藤氏は、党内外での自由な討話が妨げられている理由の一つに、日本共産党の組織原則である民主集中制を取り上げ、次のように述べている。
党内では分派活動が禁止され、人事も事実上の任命制になっている。党指導部の意見が一枚岩となれば、自由な議論が困難になる。
このことが、党外との生産的な対話を妨げている。例えば、拙著『人新世の「資本論」」(集英社新書)はマルクスやコミュニズムを全面に打ち出し、五〇万部近く売れたにもかかわらず、「赤旗」や雑誌『経済』で黙殺されている。「脱成長」と「緑の経済成長」は相入れない。志位和夫も、脱成長はマルクスの思想とは相入れないと述べている。それでいい。だが、意見の違いは対話を拒否する理由にはならないはずだ。
私は赤旗日曜版を購読していて、斎藤幸平氏の登場を心待ちしていただけに、本当に「黙殺されている」のであれば残念なことである。公然と、しかも善意の提案をしているのだから、日本共産党は斎藤幸平氏と対話をしてほしいものである。
ついでに言えば、佐藤優氏も民主集中制について、次のように問題提起をしている。佐藤優氏とも、建設的な対話の機会を持っていただきたいものである。
日本共産党の本質はスターリン主義であると評者は考えている。スターリン主義の特徴は2つある。第1は共産党のみが真理を体現し、正しい政策を実現することができるので、それ以外の政党や民衆は共産党の指導に従うのが正しいという前衛主義だ。第2は共産党内の意見の相違を党外に持ち出さず、下部は上部に従うという民主集中制だ。日本共産党が路線をいかにマイルドに転換しても、前衛主義と民主集中制だけは放棄することができない。(佐藤優著『週刊現代』、2022年8月13-20号、p 92)
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