2023年1月6日金曜日

共存の道を忍耐強く

 原子力発電所の事故原因について、様々な見解が出され、不明な点も多いらしい。しかし、はっきりしているもの、今後の教訓として是非とも大切にしてほしいことがある。「政府事故調の畑村洋太郎委員長は今回の事故原因を、『長時間の全電源喪失は起こらないとの前提の下に全てが構築・運営されていたことに尽きる』と総括している」(加藤陽子著、「原発事故調の報告書を読んで 過去から学ばない失敗、繰り返すな」『朝日新聞』、2012年07月25日)ことである。
 加藤陽子氏はまた、「敵に本土上陸を許すことなどあり得ない、との誤った前提に縛られていた」(上同)日本軍を批判しながら、「過去から学ばない失敗、繰り返すな」と警告している。軍の首脳部が誤った前提に縛られていたから、必要な対策を講じることなく、敗戦までに六大都市の約41%も焼き尽くされてしまったのだ、と。
 それでは、現政権の軍備拡張による防衛策の前提とは、どのようなものであろうか。その前提に誤りはないのだろうか。私が考える”その前提”とは、「軍事力を強化しないとウクライナのように攻められてしまう」というのであろう。最近『知らないと後悔する日本が侵攻される日』(佐藤正久著、幻冬舎、2022年)という本が出版されたが、なんとプロローグの見出しは、太字で強調された「すでに戦争は始まった。日本侵攻は2027年か」という物騒なものだった。
 と、ここまで書いてきて、たとえ他国からの脅威があったとしても、その対処法は軍事力が唯一の解決策という前提もあることに気づいた。そうすると、脅威を取り除くといった発想にはならない。しかし戦争を未然に防ぐのに大切なのは、たとえ脅威があったとしても、「共存の道を忍耐強く」(朝日新聞、2022年12月14日)探っていくしかないのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿