戦争はなぜ起きるのか。いろいろあるだろうが、軍事的緊張が存在するところに戦争は起こることは明らかだ。この度のロシアによるウクライナへの侵略戦争が証明している。ロシアと米欧とは軍事的緊張関係にあった。その一方が、「北大西洋条約機構(NATO)を東へ東へと拡大してきた。結果として、国民に被害者意識をあおるプーチン大統領に勢いを与えた面もあろう」(朝日新聞コラム「天声人語」2022年5月25日)。つまり、軍事的緊張が度を越した結果、ロシアの蛮行を引き起こしてしまったことになる。だからこそ天声人語で、「中国に対しても、軍事や経済などの包囲網が度を越してしまう危険はないだろうか」と危惧している。
もし、天声人語の危惧が真実ならば、日本の軍事費倍増や敵基地攻撃能力の保有などは、東アジアにおける軍事的緊張を高める暴挙であることは間違いない。ここで気がついたことだが、9条改憲も、軍事的緊張を高める暴挙という側面がある。自衛隊が存在し、軍事力を保有しているにせよ、憲法9条は、その軍事力の歯止めになっているからだ。その歯止めがなくなれば、軍事的緊張が一挙に高まることは容易に想像がつく。
北朝鮮との関係も同じだ。北朝鮮を念頭にした米韓軍事演習とか、日米軍事演習をやっているが、ロシアがNATOを軍事的脅威と感じたように、北朝鮮も、米韓軍事演習や日米軍事演習を強い軍事的脅威と感じているに違いない。なんと言っても、軍事力の差がとてつもなく大きいからだ。
最近、ロシアのような国が存在するかぎり、ますます憲法9条で国を守ることなどできない、とよく言われることになった。そうだろうか。なぜ、ロシアが蛮行に及んだかを冷静に見つめ、たとえロシアのような国が存在していたとしても、それらの国が蛮行に走らないための方策を明らかにしさえすれば、戦争を防ぐことができるに違いない。その方策こそが、敵視政策から共存政策への転換であり、平和的な外交と軍縮路線の推進である。平和的な外交には、当然核兵器禁止条約の批准が入っている。
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