2022年5月16日月曜日

数学史に対する関心の正体

 数学史における概念の発達がどのようになされたのか。と、書いたら、社会科学の分野では、例えば「民主主義という概念が歴史的に発展して、その意味すること、その含まれる内容が豊かになってきているにもかかわらず、同じ言葉が使われているという問題がある」、と、その問題が鮮明に意識されるようになった。
 世界人権宣言が誕生してから、どのくらいの年月が経ったであろうか。ここで言われている人権もまた、自由といった言葉と同じく、歴史的な言葉であり、内容が共に豊かになってきているにもかかわらず、歴史的な発展が明確に認識されるような概念の発達という形にはなっていない。
 その点数学史だけでなく、科学史もそうだが、そこに含まれている概念が明確であり、かつ、概念の発達過程も明らかにされ、数学史ならびに、科学史が成立していている。この数学史を、概念の発展という視点で学び、社会科学の概念の発達史というものを考えてみたい、発達史のヒントを得たい。これこそが数学史に対する漠然としていた関心の正体であった。
 数学は、厳密な学問である。それに対して社会科学は、使う人、使う時代によって概念の意味合いが違うという傾向がある。その上、社会科学と「科学」の一分野のごとく考えられているが、まだ科学になり得ていない、と言われることもある。社会科学の概念は、自然科学の概念のような厳密さに欠ける傾向にあることを考えれば、仕方がないのかもしれない。だからこそ、数学史をヒントにして、社会科学における概念の発展というものを考えてみたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿