プーチンによって始められた戦争が収束に向かう気配が全くみられない。このような事態を前にして友人が、世界の気候変動など世界的な課題を前にして、「戦争などやっている場合か」と嘆いていた。法政大学名誉教授・前総長の田中優子さんも、「今、世界がのりこえる喫緊の課題は地球温暖化の問題であり、持続可能な社会をつくることです。国際社会の積み重ねを壊して、戦争をやっている場合ではない」と述べている。しかし、多くの人は戦争について反対はしていても、世界的な課題と結びつけて反戦を訴えている人は少ない。逆に、反戦に力を入れたため、世界の気候変動など世界的な課題は忘れてしまうことも起こりうる。だからこそ、世界的な課題と反戦を一つ課題としてとらえ直すことが重要になってくる。
似たようなこととして、プーチンに批判していても、従来からの「力の論理」批判には至らず、逆に「力の論理」を増強する論調が大勢を占めてきている心配がある。政府が24日に閣議決定した2022年度当初予算案で、防衛費は前年度比583億円増の5兆4005億円となり、過去最大を更新したことが、そのことを雄弁に語っている。
この度の戦争は、「力の論理」では悲劇が増すばかりで、何も解決しないことを日々教えてくれている。「力の論理」の思想に代わるものとして登場したのが、「他国を侵略しない、戦争はしない」と決断した憲法9条の思想である。今こそ、9条の思想を見直し、その真価に思いを馳せるべきである。

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