しかし、戦争を起こさないためには目を外に向けた外交の積み重ねだけでは不十分で、目を国内に向けて、「格差や差別、貧困、いじめ、性暴力……。社会を構成する一人ひとりが、足元から暴力を否定し、暴力に依拠しない人間にならなければ、武力行使を是とする政府を安易に生み出してしまうでしょう」という指摘は、これまであまり気に留めてこなかっただけに新鮮だった。普段から、言葉の暴力も含め、足元から暴力を否定し、身の回りの家族、隣人の人権を尊重するようにしていくことが、大きな、国家的な暴力としての戦争を予防することになるという。全くその通りだ。憲法の実践というと大袈裟になってしまいがちだが、足元から誰にでもできることがわかった。
私たちが望む平和は、戦争や武力行使のない状態だけを意味するわけではありません。憲法前文に「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とあるように、平和的生存権とは「恐怖と欠乏」から解放された生活を送る権利のことです。
格差や差別、貧困、いじめ、性暴力……。社会を構成する一人ひとりが、足元から暴力を否定し、暴力に依拠しない人間にならなければ、武力行使を是とする政府を安易に生み出してしまうでしょう。軍事化の芽は平時の営みから醸成されます。
とりわけ一番親密な関係である家族において、DVや虐待といった暴力を否定したのが憲法24条(個人の尊厳と両性の本質的平等)です。家族は、暴力に頼らない人間や軍国主義を強制する政府に従わない人間を育む場-。それを求めた24条は、9条と共に平和主義の両輪です。(『赤旗日曜版』2022年4月17日号)
日本国憲法
第二四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
(2)配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
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