2022年4月17日日曜日

基本的人権と結びついた民主主義

 水戸黄門といえば、「これが目に入らぬか」と言って印籠をかざすと、「ハハー」と言って印籠の前にひざまづく様が有名である。この印籠のように「ありがたがる」ものに「民主主義」という言葉がある。だからであろうか。「民主主義はあらゆる政治概念の中で最も乱用された概念と」(『民主主義の本質と価値』ハンス ケルゼン著、長尾龍一訳、岩波文庫2015年、p 12)なってしまった。なぜ、このようになってしまったのか。
 それは、民主主義と切り離してはいけない「基本的人権」あるいは「人間の尊厳」というものを、切り離して民主主義を考えてしまうからである。「民主主義は<基本的人権を、人間の尊厳を踏みにじる>暴君をやっつける以外に機能してはいけない」(『板倉聖宣の考え方 授業・科学・人生』、板倉聖宣著、仮説社、2018年、p 175、<>内は)のである。板倉氏は、こうも言っている。

 「尊重する」ってことは<彼らの意志に反することはさせない>ということです。僕は基本的人権というものを一番にしているから、研究所でも研究者の基本的人権を侵すようなことは聞き入れません。・・・そういうことで行けばだんだん民主主義が本当の意味で復活してくるだろうと思います。(上同、p174〜175)

 アメリカ民主主義と言われることがある。今、ロシア軍によるウクライナへの侵略戦争が行われているが、この戦争を専制主義国対民主主義国の戦争と言われることもある。民主主義を口にしても、基本的人権を踏みにじってしまう民主主義もあるということであろう。ということは、本当の民主主義に、基本的人権としっかり結びついた民主主義にアップデートしなければいけないということになる。今後の課題としたい。

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