2022年2月19日土曜日

希望があれば苦痛もやわらぐ

 ダンテの言葉「希望があれば苦痛もやわらぐ」(『やさしいダンテ<神曲>』、阿刀田高著 、角川文庫)) を知って、アウシュビッツという極悪の環境で生き延びた人たちのことを思い出した。そういえば、ダンテの『神曲』を読んでみたいと思ったのも、アウシュビッツという極悪の環境で「ダンテの『神曲』の一節を暗誦し、生き延びた人たちのエピソード」を『小川洋子のつくり方』(小川洋子著、田畑書店、2021年)で読んだからだった。
 エピソードは、一人の青年Pがあるイタリア人Gに「イタリア語を教えて欲しい」とお願いしたことから始まる。なんとGは、『神曲』の一節を思い出し、それをPに暗唱させた。その一節が「 君たちは自分の生の根源を思え。獣のごとく生きるのではなく、徳と知を求めるため生を享けたのだ」だったのである。PやGは、ダンテの『神曲』に救われたと言って良い。
 また、朝日新聞夕刊(2022年2月17日)「(一語一会)人材育成コンサルタント・辛淑玉さん 元在日韓国大使館員の金時福さんからの言葉」として、「絶望したら希望を小さくして生き残れ」を紹介していた。なんと、「差別にあらがう言論活動を続けてきた」結果、「ネットに誹謗(ひぼう)中傷があふれ」、「自宅に注文していない商品が届き、夜中に呼び鈴が鳴らされ、汚物が投げ込まれた」こともある。その時に思い出したのが「絶望したら希望を小さくして生き残れ」だという。
 耐えかね、2年間もドイツへ避難したが、「滞在先のドイツでは、『今日は甘いチョコを食べた』など、食べることで小さな希望をつないだ。帰国後もしんどい時は『希望を極限にまで小さくして』耐えてきた」というのだ。このようなことが、現実に日本で起きている。情けないが、このようなことが記事にされたことに救いを感じる。

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