2021年7月4日日曜日

知らなかった今も続く朝鮮人差別

 かつての日本が行ってきた、朝鮮人に対するさまざまな差別的扱いのことは知っていた。どれだけ酷いことをしてきたかも知っていたつもりだ。しかし、いずれも過去のこと、過去に行われた過ちだったという認識だった。しかし、『差別白書 第1集』(在日本大韓民国居留民団中央本部、1980年)を手にし、在日韓国人という理由で、ずっと差別され続けてきたことを知って驚いた。なぜなのか、在日韓国人には、日本の国籍を取得が認められていないから、と思った。次のような諸外国の例が紹介されていたからだ。

 第二次世界大戦が終わった直後の一九四八年パリの国連総会で世界人権宣言が行われた。この中で強調された点は、それまで各国の市民権が血統主義によったことの誤りを正し、属地主義への移行を宣言したことであった。これは人類の経験からして血統主義をとることの弊害をなくし、新しく属地主義をとることで人類の慧知を示したものであった。もちろんこの考え方はその背景に人類が帝国主義を捨て、新しく民主主義を採用するという大きな思潮の流れがあった。
 先進国ではこの流れによって属地主義をとり、民主主義的なルールを踏んだ。たとえば、英国は終戦と共に英国本土およびその領地内に在住するインド人に対し、英国籍取得の権利を認めた。フランスはアルジェリアが一九六五年独立をしたとき、フランス領内に在住するアルジェリア人に国籍取得の自由を与えた。いうまでもなくアメリカはアメリカ在住の韓国人、日本人のすべてに市民権を与えた。(『差別白書 第1集』、在日本大韓民国居留民団中央本部、1980年、p25)

 しかし、そうではなかった。「在日韓国人は終戦後一貫してその祖国の国籍を要求した」(p26)というのだ。だとしても、個人として尊重されるのは、国籍など関係ないはずだ。国賊として共産党員に対してなされた蔑視の感情が未だに尾を引いているように、朝鮮人に対する根強い蔑視の感情が深いところであるのかもしれない。日本国憲法の真髄の普及が望まれる所以であろう。

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