最近、歴史の大まかな流れを押さえることの重要性を感じるようになった。戦後史の概観を押さえることで、その先の方向性を見通すことである。その見本が次の文章だ。
昭和九年(一九三四年)に私は東京美術学校油画科に入学し、昭和十四年(一九三九年)に卒業した。われわれの世代は大正デモクラシーなるものを知らない。しかし昭和九年から十四年という時期は、戦前の日本経済が最も活況を呈した時であり、やがてくる戦争への不安を孕みながらも頽廃のムードを秘めて平和をむさぼっていた時から、二・二六事件や日華事変の勃発を挟んで、日本が急速度に軍国化へ傾斜しはじめるきわめて変化に富んだ時期にあたっている。事変勃発と同時に召集された親友Kが戦死し、卒業を真近に控えた頃、左翼的な思想をもつという理由で親しい友人の幾人かが警察へひかれていった。数年後に学生生活を送った人達の多くが、軍国主義一色に染め上げられ、あるいは強制された時代に育ったとするならば、われわれは恵まれた学生時代を送ったということができるかも知れない。
当時の美術学生の関心は、第一次大戦と第二次大戦の間の平和の谷間に花咲いた、第一次エコール・ド・パリにあったといえるだろうと思う。しかしヨーロッパにもようやく戦雲濃く、スペインの内乱が起り、ダリが「内乱の予感」(一九三六) を、ピカソが「ゲルニカ」(一九三七)を描くことになる。(『美術家たちの証言』、浜田知明著、東京国立近代美術館編集、美術出版社、2012)
歴史の一時期に過ぎないが、当時の様子が見事に表現されている。この例に見習って、戦後史の大まかな流れを抑え、その先に見えるものを探してみたい。幸いにも、適当な教科書がある。『憲法九条の戦後史』(田中伸尚著、岩波書店、2005年)と『9条の戦後史』(加藤典洋著、筑摩書房、2021年)である。この二冊を参考にして、自分が納得できるダイジェストを描いてみたい。その際、歴史の変化の兆しともいうべき時代区分を探し、かつ対立軸というものを意識して押さえていきたい。
今回は、趣きの変わったこと(課題、目標)を書いたが、今日借りてきた『学びを結果に変えるアウトプット大全』(樺沢紫苑著、サンクチュアリ出版、2018年)に、「目標を書く」ことも立派なアウトプットであると、書かれていた。その際は、具体的な「実現する(したい」目標を立てる(書く)ことが大切だ、とも。
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