ミネアポリス美術館「日本絵画の名品展」を観てきた。特に、「甲州三島越(こうしゅうみしまごえ)」がしっかりとした解説があって良かった。展覧会にしては珍しく、写真OKだったので、うちに帰ってからも、解説を読み返しながら、じっくり見返すことができた。北斎漫画がこのように活用されていたんだ、と、この作品を通して創作の断片がわかった。
「矢立ての杉」と呼ばれる大木は、画面の上端を超えて上方へと伸びる。北斎は『北斎漫画』7編で、富士山の絵と笹子峠に立つ杉の大木の絵を別々に描いた。この作品ではその2つの図を合体させたようだ。想像上の眺めであるが聖なる山の新しくも力強い眺望を創出するためだったのだろう。(「日本絵画の名品展」より)
ネットにも解説があった。この解説を読んで、初めて「手をつないで幹の太さを計ろうとしている」人たちの存在を知った。
三島越とは、甲府盆地から富士山麓を経て駿河国・相模国へと続く鎌倉往還(古代東海道)を指します。画面中央に巨木を配し、その後ろに富士が稜線を広げています。巨木と富士の対決でしょうか。旅人たちは、幹の太さに驚いて、手をつないで幹の太さを計ろうとしています。藍、緑、墨の色合いが、夏のさわやかな空気の中に沸き立つ夏雲、頂上にたなびく笠雲が富士の美しさを見せています。(「甲州三島越 - 葛飾北斎 「富嶽三十六景」解説付き」より)
何と、手元にあった雑誌『サライ』の「北斎」特集号2017年11月号にも、「甲州三島越」が掲載されていた。しかし、「見れども見れず」で、記憶になかったのだ。ここには、「構図が奇抜で」「富士の威容と巨木に自然への畏怖を感じる」(p41)とあった。納得である。改めて、幹の多くを描かないことと、小さな人物を描くことで、その大きさを表現していることに気づいた。こんなところもすごいと思った。

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