2020年9月30日水曜日

「男系の男子之を継承す」は差別の根源

 朝日新聞の夕刊(2020年9月30日)で、「米国の理想と本音」と題して、『ハーレムの熱い日々』(1972年刊)が紹介されていた。

 人種差別という病巣は不変――。多くの人々の目にそう印象づけたのが、5月にミネソタ州で起きた、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に暴行を受け死亡した事件だ。「BLM(黒人の命も大切だ)」運動への共感は全米に広がっている。
 黒人文学が専攻の荒このみ・東京外国語大名誉教授(74)は「この半世紀余、制度上の様々な前進がみられた米社会に今なお根深い差別意識が存在する」と指摘する。

 日本にも、部落による差別、女性蔑視、等々、様々な差別があったし、現に存在する。部落差別を扱った小説として『橋のない川』(住井すゑ著)がある。その住井すゑさんが、差別の根源に言及した言葉を最近見つけ、溜飲が下がる思いがした。

 大日本帝国憲法には「皇位は皇室典範の定むる所により、男系の男子之を継承す」と明記されている。・・・旧憲法を思うとき、真っ先に頭によみがえるのは「男系の男子之を継承す」の語句である。これには、私の感じとしては全く形容しがたいほどの差別 —— 差別の根源とも言うべきもの(原文は傍点)が居座っている。(『いのちは育つ』(住井すゑ著、人文書院、1985年、p30〜31)

 新憲法については、胸おどらせて「前文を読みはじめた」けれども、「第一章 天皇」を読んでがっかりした。<民主主義の原則であるべき「平等」と「自由」が全く無視されていると感じたからだ>(p31)と言う感想を述べている。こうした視点は初めてで、考え続けていきたいテーマの一つになりそうだ。

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