2020年9月16日水曜日

真の脅威は「敵」でなく米核政策

 前に、「全体的破滅を避けるという目標」というブログを書いて、宇宙物理学者であるホーキング博士の言葉を引用しながら、「核戦争を避けることが何にもまして重要な課題であり、目標である」ことを述べた。
 『核のボタン』(ウィリアム・ペリー、トム・コリーナ著、田井中雅人訳、朝日新聞出版)の書評(評者・長崎大学准教授中村桂子さん、『しんぶん赤旗、2020年9月13日』より)を読んで、事態はさらに深刻であることを知った。何よりも、「米大統領には核兵器使用にかかわる専権が与えられ、その決断を誰も止めることはできない」(同上)ということが怖かった。なぜなら、

 そもそもの判断材料が誤情報だったら? 
 コンピューターがハッキングされたら? 
 大統領がかんしゃく持ちで冷静さを欠いていたら? 
 ピザの注文よりも簡単に、何百という核ミサイルが発射され、何百万、何千万の人々が命を落としうる。それがこの世界の「日常」なのだ。 (同上)

 こうした、「明日にでもありうる日常」の危険性は十分に考えられる。だからこそ、怖い。そもそも、米大統領に核兵器使用にかかわる専権が与えられていることは、周知のことなのだろうか。ロシアや中国などの核保有国の場合は、どうなのだろうか。何れにしても、

 日本の私たちにとってこれは人ごとではない。核戦争が起きれば世界中誰しも、「対岸の火事」ではいられない。しかしそれ以上に私たちは「当事者」だ。まさに狂気でしかない米国の核政策を支持し、その庇護の下で安全をうたうというこの国の「異常さ」に気づき、声をあげなければならない。時すでに遅しとなる前に。本書は私たちへの警告の書である。(同上)

出版社からのコメント
 本書は「核のボタン」を握るトランプ大統領への警告の書であり、 大統領に核のボタンを専権的に握らせることが人類にとってどれほど恐ろしく、 破滅的なリスクをはらむものかを市民社会に伝えるものです。
 核軍拡競争に明け暮れた米ソ冷戦時代が終わり、 オバマ大統領の「核なき世界」へ歩む契機がようやく訪れました。 しかしトランプ政権により突入しつつある米中露の「新冷戦」時代。 オバマ氏の「核なき世界」政策につながる礎を築いた 米国4賢人」の一人である元米国防長官のウィリアム・ペリー氏は、 世界が再び暗黒の20世紀へ引き戻されることがないよう警告を放ちます。
 日本の安倍晋三首相が「核の先制不使用」への反対を個人的に オバマ氏に伝えたことへの懸念も本書では表明されています。

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