2020年9月20日日曜日

軍事力による抑止論はアリ地獄への道

  北欧には、レミング(ネズミのような小動物)が大発生して森林から移動し、一部は川や海に突入したり、谷から飛び込んだりする様子が、集団自殺の例として伝説になっている。先の大戦も、ある意味ではレミングのように一億総突進して多くの命を失いましまった。その代償として日本国憲法が与えられた。しかし、現在は、憲法の精神からどんどん離れてきており、レミングのように死の淵に向かっているように思えてならない。安倍晋三元首相のような旗振りの後を、ただ追いかけて死の淵に向かっているイメージである。
 雑誌『 世界』(10月号)を読んでいたら、現代の軍拡路線をひた走る様を「蟻地獄」に喩えて批判している論文を見かけ、同じような考えに出会え、嬉しくなってしまった。その論文は「戦争を抑止できるものは何か」という池内了さんのものだ。

 世界を破壊するための精鋭な武器をいくら装備しようとも、目に見えない半生物体であるウイルスを根絶できず、累々たる犠牲者を生み出す一方である。そのような状況であるにも拘らず、世界中で軍拡路線が止まりそうにない。環境の悪化が地球の異変をもたらしかねないと何度も警告が発せられているのに、さらに武器の絶えざる生産と更新のために資源とエネルギーの膨大な浪費を行ない、環境の悪化を加速させていることが明らかなのに、軍事予算を環境の整備のために転換する動きはまったく見られない。その背景にあるのお軍事力による戦争の抑止論なのだが、それはアリ地獄への転落でしかない。戦争を真に抑止するのは人間の理性と道理に基づいた人間力であり、一切の軍事力を放棄した世界こそ人類の目標としなければならないのではないか。 (p128、強調は引用者による)

 ぜひ、手に取って読んで欲しい。

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