2020年9月8日火曜日

老後も堂々と生きていける保障を

 山田太一さん脚本、笠智衆さん出演のNHKドラマ「冬構え」をDVDで観た。 一人の老人が貯金を全て下ろして、念願の東北を一人旅する。それというのも、やがて来るであろう病気などで子供たちに世話にならなければならない時のことを、あれこれ想像し、自分で死を選べるうちに命を経とうと、死を決意した最後の旅立ちだったのである。
 もし、子供たちに疎まれるようになったら、と、心配したのだが、山田洋次監督映画にも、「父親がこどたちの家をたらい回しにされた映画」があった。昔は、長男が当たり前のように親をみたものだが、核家族化するに従って、親の方が肩身が狭い思いをする風潮になってきたのかもしれない。
 こうした問題は、だから、だいぶ前からあった。しかし、今までは人ごとのように思って深くは考えてこなかった。今回は、そうはいかなかった。笠智衆さんの悲しみが、我がことのように思え、どう準備すればいいのか考え込んでしまったのだ。
 一つの答えが、『60歳からを楽しむ生き方 フランス人は「老い」を愛する Kindle版』(賀来弓月著、文響社)にあった。フランスでは、子供たちが親たちを扶養、あるいは介護する義務があるなどとは考えていないようで、「求めるものは、子どもや孫たちの愛情だけ。高齢者たちの面倒をみるのは、国及び地方公共団体の責任だと考えられている」というのだ。
 老後を肩身が狭い思いをしなければならないのなら、なんかがおかしい。一人ひとりの尊厳を憲法で保障しているのだから、老後になって障害を抱えるようになっても、堂々と生きていける保障を要求していくことは大切なのかもしれない。 

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