2020年8月9日日曜日

軍隊の力学と経済の力学は車の両輪

 軍事力には、軍事力そのものに備わった力があって、「軍人の心理はそれに支配され」てしまう、という考えを知って、その独創性に驚いた。天体に固有の重力が働くように、軍隊にも固有の力が働くというのである。なるほど、軍隊(軍備)が自己増殖する所以である。それは、次のように書かれていた。

 軍事力にはある種の力学があって、軍人の心理はそれに支配され、持っている武器は使いたいんです。一方、軍事産業は次々に新しいモデルの武器をつくって利益をあげたいはず。しかも国が相手だから国が破綻しない限り取りはぐれはない。つまり軍隊の力学と経済の力学が車の両輪のように働けば、この国はまたしても軍事国家になる可能性が大きい。(澤地久枝著「人類が最終的にいきつく答えが平和憲法」『わたしの平和と戦争』、集英社、2016年、p250〜251)

 よく、旧日本軍の特殊性が問題にされることがある。しかし、そうだとしても、その特殊性を生み出したのも、軍隊(軍備)が持っている固有の力であると、説明することもできる。つまり、各国の個別的な軍隊(軍備)から導き出される、各国に共通する軍隊(軍備)が持っている固有の力というものの存在を認められるべきなのだ。
 その力の方向性には特徴があって、より残虐で、より拡大する方向性である。軍隊(軍備)に、このような性質が認められるなら、その先端である核兵器などのみ禁止しても、決して実現しないであろうことが予想できる。9条のごとく。元から断たなければ実効性が怪しい、ということである。だからこそ、軍隊(軍備)が持っている固有の力というものをもっと究明する必要があるのかもしれない。

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