2020年8月6日木曜日

常備軍は全廃されなければならない(カント)

 昨日、「もっと理想を語らなければ!」と書いた。カントの『永遠平和のために』は、理想を語った典型として、よく引き合いに出され、引用もされている。日本国憲法には、カントの理想が流れ込んでいるとも言われている。カントは「常備軍は、時とともに全廃されなければならない」と書いているのだから、日本国憲法こそ、最もカントの理想主義を体現しているのかもしれない。
 哲学者の柄谷行人氏も、「日本の憲法九条は、カントの永遠平和論にもとづくものです」(『わたしの平和と戦争』、集英社、2016年、p24)と言い、だから、日本国憲法を実践する政府が取るべき具体的な第一歩は、「日本が憲法九条を実行するということを国連で声明」(上同)することだと提起している。そうすれば、「それに賛同する国がどんどん出てくるでしょう。それによって国連を再編成していくことが、カソトの説いた永遠平和への第一歩となります」(上同)と。
 同じ哲学者の梅原猛氏も、カントの永遠平和論に触れて、次のように語っている。

 二一世紀以後の世界は核戦争を避け、地球環境問題を解決することを最優先しなくてはいけない。それは国家を絶対とする憲法では不可能ではないですか。現在の憲法にこそ新しい人類の理想が盛られており、だから私は改憲に反対なのです。
 地球環境問題という国家を超えた課題に対処していくには、カントが『永遠平和のために』で提唱した「国家間の連帯によって平和を築く」理想に立たねばなりません。憲法にはカントの永久平和論に通じる恒久平和の理想、つまり人類の未来への理想が語られています。(上同、p33)

 現在、新型コロナウイルスという人類に対する新たな脅威が猛威を振るっている。こうした脅威も、核戦争や地球環境問題と同様、「国家間の連帯」によって解決していくしかなく、常備軍は、何ら役には立たない。だからこそ、常備軍は撤廃し、人類史的な課題にシフトを変えていく必要があるのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿