2020年5月4日月曜日

国家総動員の真髄

 国民精神総動員運動のことを調べていて、「国民精神総動員の実践事項」という項目を見つけた。運動目標(日本精神の発揚)と実践細目に別れていて、例えば、次のような具合である。始めから精神論で神風を信じたという話ももっともな話だと思った。

 1、社会風潮の一新
  ⑴堅忍持久の精神の涵養     1、不動の精神の鍛錬 
                  2、必勝の信念の堅持 
                  3、対敵心構えの訓練
  ⑵困苦欠乏に耐えうる心身の鍛錬 1、勤倹力行
                  2、生活の刷新
                  3、享楽の節制
   (『国民精神総動員原義』、三浦藤作編、東洋図書、1937年、p27)

 最後に、「国家総動員の真髄」が説かれ、国民精神総動員運動は、結局、国民を国家総動員に導く方策であったことが明らかになる。

国家総動員の真髄
 国民精神総動員を離れた国家総動員はない。・・・国家総動員の真髄たる国民精神総動員の根本義に目覚め、挙国一致、尽忠報国、堅忍持久の大精神を持って、現在の難局を打開せよ。かくして、今日の国民の責務は完了する。それは、皇国の臣民として、肇国の洪謨(こうぼ:大きなはかりごと)を受け継ぎたまえる大御(おおみ)業を翼成し、大御心に応え奉り、赤子の本務を全うする所以である。(上同、p238)

 要するに、国家総動員は、勞働界。產業界。金融界を統制して、人員及び物資を調整し、防力を強化する大規模の家的活動である(上同、 p235)

 これも、全て、天皇の詔勅から始まる。ちょっと読みにくいけれど、「朕が将兵」「朕が勇武なる将兵」「朕が忠良なる臣民」など、気になる表現のところは読めた。これだと、奴隷と奴隷の所有者の関係と同じではないか、と思ってしまう。



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