しかし、こうした説明では、説得力が弱い。美濃部達吉が戦後になって書かれた憲法論を読むと、旧憲法にとって重要だった権力(大権)が次々と剥奪されてきた過程が見事に描かれていた。例えば、「軍編制ノ大権」は、「天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム(12条)」という条文で表されているが、こうした大権の多くが、「敗戦ノ結果トシテノ軍備ノ解消ニ因リ其ノ実ヲ失ヘル」(『憲法提要』、美濃部達吉著、p198)と言う具合だった。
ここで、旧憲法下でできたことで、憲法改正によってできなくなる(失う)事の大きさをピックアップしていくことを思いついた。そうすれば、新憲法によって失った条文が、(旧憲法にとって)いかに重要なものであったかったかを理解でき、其の結果、八月革命説を実感できるようになるからだ。逆に、旧憲法の大要を知らなければ、日本国憲法の素晴らしさも半減してしまう、ということだ。
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