2020年5月16日土曜日

矢内原忠雄の理想主義を発見

 美濃部達吉の論文「陸軍省発表の国防論を読む」を読みたいと思って『中央公論』、1960年11月号を借りた。目次を見ると、矢内原忠雄の「国家の理想」と言う論文が目に止まった。1937年9月号に掲載されたものの再録だった。しかも、「ちょうど蘆溝橋事件の起った直後それに刺激されて一気呵成に書」(『中央公論』、1960年11月号、p380)かれたものだが、「八月にはもう発売になったが、すぐ発禁になってしまった」(同上)曰く付き論文だった。論文の要点は次の通り、読んでみたい論文も上げておいた。

 大塚 その論文で一番当局の忌諱に触れたのは、どの点だったのでし
 矢内原 国家の理想は正義と平和にあるということ、戦争という方法によって弱者をしいたげることではないということです。国内においても国際的にも強者が弱者をしいたげるために用いる手段が暴力で、それが戦争政策になる。国家の理想というか、いかなる国が立派になり、栄えるかということは、理想にしたがって歩むかどうかということだ。理想にしたがって歩まないと国は栄えない。一時栄えるように見えても滅びるものだという議論が問題となった。(同上、強調は引用者による、矢内原忠雄氏の『私の歩んできた道』の中での大塚久雄氏との対談の一節)

矢内原 忠雄・1893年(明治26年)1月27日 - 1961年(昭和36年)12月25日)は、日本の経済学者・植民政策学者。東京大学総長 

『矢内原忠雄全集. 第19巻 (時論 第2) (岩波書店, 1964) 』
 「新憲法について」
 「新憲法の平和原則」
『矢内原忠雄全集. 第20巻 (時論 第3) 』
 「平和憲法は試錬の年」
『世界』、岩波書店、1959-11
  特集・憂慮すべき安保改定交渉--特集・安保体制からの脱却
『開拓者』1949-09
 「新らしき平和の要望」

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