どんなものかが気になって、図書館で当時の新聞を調べてみた。号外は見当たらず、昭和12年12月13日の『東京朝日新聞』は、あった。「南京・南側全壁に日章旗飜る」と大々的に報道されていた。
この新聞で私が注目したのは、「本社記者南門一番乗り」という記事の方だ。そこには生々しい記事があった。
記者は取るものもとりあえず決死の一番乗りを覚悟し、・・・挺身爆破工兵隊のトラックに飛び乗って息もつかず驀進した、弾丸は雨霰のごとく飛んで車上の爆破材料にはね返える、生死の間を彷徨する思ひだ、・・・・時に午後一時時五分、長谷川部隊の城壁爆破である、この爆破路に突撃の姿勢にあった歩兵の将兵は期せず「やったやった日章旗をあげたのは三人だぞ」と歓声をあげる、・・・あ丶なんたる緊張した刹那だろう、記者は力強い日本武士の大和魂の発露を見た、記者等の両眼からは期せずして感激の涙が止めどもなく流れた。


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