田中正造といったら、足尾銅山の鉱毒事件を闘った人くらいの認識だった。そんな彼が、「陸海軍全廃」について論及していることを知って、『原点でよむ日本デモクラシー論集』を読んでみた。ところが、ここには原文からの引用があるのみで、本文は『田中正造全集・4』にあることがわかった。引用された部分だけ読んでも、なかなかの名文で説得力がある。そして、このような日本人による思想が現憲法に引き継がれているであろうことが、予想できる。なぜなら、GHQが憲法草案を作成することになった時、日本の多くの図書館から、資料を集めた、ということを、前に観たドキメンタリー映画で語っていたからである。
今日も久振で政治家諸君の演説を聴いて見ましたが、如何にも調子が低い、『敵』『敵』と切りに言ふ、そんな量見では駄目だ、四海同胞、世界を呑んで行くのだ、軍艦なぞ、支那へ呉れてしまへ、露西亜へ呉れてしまへ、残りがあったら皆んな焼いてしまへ、丸裸になって、さあ来いと言ふんだ、此の正直な力、何処からせめることが出来るものですか —— 神の道だね。(『原点でよむ日本デモクラシー論集』、堀真清編、岩波書店、2013年、p33)
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