例えば中野孝次さんは、「『徒然草』全体の中心を占める文章は何かといえば、ぼくは躊躇なく、先に引いた第九十三段のあの一行をあげるだろう」といって「されば、人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや」を紹介しています。まさに名言で、こうした思想には、西洋にはない東洋思想が色濃く反映していると思うようになりました。
東洋思想の中には”禅の思想”も含まれます。最近その一端を知り、このような西洋にはない東洋思想の叡智(哲学)こそ、日本文化の大きな特徴ではないかと思うようになりました。そして、その日本文化の大きな特徴が『徒然草』には含まれているこのようなのではないか、そう思うのです。なお、”禅の思想の一端” というのが次の一節です。
典座の教えとは、道元禅師が、調理や食事作法を修行の域にまで高めようとしたものである。台所仕事は下働きに思われがちだが、実はもっとも尊い営みであり、手仕事のあたたかさと真心、工夫する心持ち、食材を大切に扱うことを、ひとつの生き方として説いたものだ。(松浦弥太郎著、<立松和平さんに教わった「典座」>日本経済新聞、2024年2月17日)
0 件のコメント:
コメントを投稿