NHK日曜美術館で放送された「美は喜び 河井寛次郎 住める哲学」で河井寛次郎の著書『炉辺歓語』(河井寛次郎記念館監修、東峰書房、1978年)を紹介していました。その中で、農家の人に「もう少し手をはぶいた蓑でいいいいから、私のために一つ作ってもらいたい」と聞いたときの話が紹介されていました。
結局、「わしゃ、そんな手をはぶいたものなんかを作るすべは知らん」と断られるのですが、断られた河井さんの反応が素晴らしいのです。並の人なら、「ムッときて」もおかしくないところですが、河井さんは逆に感心し「確かなものを作りたいのなら、確かな暮らしをせよ、ということなんですよ」と受け止めているのです。そんなこともあって、『炉辺歓語』を読んでみました。素晴らしい言葉がありました。仕事自体が祈りだと語っている部分が、棟方志功さんに共通するところがあって一番良かったです。
日常の仕事をしていること自体が、やっぱり「祈り」じゃないかと思うのです。それで「祈らない祈り」「仕事は祈り」という言葉を貰ったのです。(p84)ここで「言葉を貰った」という表現が心に残りました。別なところでは「仕事によって教わったことです」(p185)とも言っています。良い仕事ができてこその言葉です。もっと河井さんの本を読んでみたいと思って見つけたのが、『いのちの窓』(河井寛次郎著、河井寛次郎記念館監修、東方出版、2007年)や、『火の誓い』(河井寛次郎著講談社、1996年)『河井寛次郎の宇宙』(河井寛次郎記念館編、講談社、1998年)です。ゆっくり読んでみようと思っています。
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