広大な草間彌生ワールド
すごい詩に出会いました。草間彌生さんの「戦いのあとで宇宙の果てで死にたい 2007」です。何がすごいか、ですが、一編の詩に草間彌生さんの一生が凝縮されていることです。しかも、「わたしはやがて老いて/宇宙の広々とした天国の階段をのぼりつめて、/(中略)/ゆったりとねむりつづけるだろう。」と、壮大なのです。原詩は一連でしたが、六連の詩にして紹介します。広大な草間ワールドそのものです。すべての人々に愛はとこしえと叫びつづけてきたわたし
そしていつも生きることに悩みつづけ
芸術の求道の旗をふりつづけてきた。
生まれいでてからこのかたそして
今迄走りつづけてきたのだった。
世界という檜舞台でのいくたびかの
昨日の衣を常に新しい衣に脱皮しながら
膨大な作品群を造りつづけてきた
このわたしの「道程」は、真夜中の灯の下で
ねむれぬ幾夜中のしじまに励ましてくれる
そしてもっともっと愛を世に叫び刻印を残したい。
世界の争いや戦争やテロや貧富の泥沼をのりこえることを
心から願って止まない。
人々が平和でくらせるようにと
わたしの願いはつきることもない。
芸術の力をもって斗っていきたいのだ。
芸術の心のかぎりの求道のいしづえをもって
人々に仕え社会に貢献したい。
そのゆきつく先は、わたしはやがて老いて
宇宙の広々とした天国の階段をのぼりつめて、
白雲が静かにつづくしとねで
わたしは自我をはなれ
深々とした青い空のしとねで、
ゆったりとねむりつづけるだろう。
そして地球にサヨナラを伝えるのだ。(『草間彌生わたしの芸術』、建畠晢他著、グラフィック社、2019年、p158)
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