2024年1月14日日曜日

地球の人々に告ぐ

 草間さんの詩「永遠の永遠の永遠 2011」には、「地球の人々に告ぐ」という勇ましい句があります。続いて、「未来は原爆や戦争をやめて/かがやいた生命を/永遠の永遠の永遠にあこがれた/私の精魂こめた芸術を見てほしい」と、私の好きな一連に続きます。
 ウクライナやイスラエルでの戦闘を目の当たりにして、いままさに「新しい戦前」とか、「戦中」という人まで現れて来ています。さらには、辺野古に新しい米軍基地建設が強硬に推し進められています。100年後も戦争は無くなりそうもない雲行きです。それでもいいのでしょうか。いつまでも争いを続けていけば、紛争はエスカレートして「核戦争に発展する確率が高くなる」ことは目に見えています。だからこそ、「未来は原爆や戦争をやめて/かがやいた生命を/永遠の永遠の永遠に」していく必要があるのです。
    地球の人々に告ぐ

毎日、私をおそってくる死の恐れを克服する時は
私は命の限りの心をしづめて
芸術へのあこがれを見いだすのだった

人の世に生まれいでた時の感動が
私の人生を
新しい創造のあらしをもって再生するのだ

地球の深々とした神秘のささやきが
いつも自殺しようとしていた私のうらぶれた命への救済をもって
私は死のあこがれと恐怖を追放して
華やいだ生命のかがやきにいつもめざめさせてくれたのだった

わたしは生きてゆくことに
生存のかがやきに
深く打たれ、心打たれ
人間の生命は
永遠に回帰するのだという事を実感するときの喜び

私は死の憂鬱を乗り越えて
世界最高の芸術をもって
人間のすばらしさを求めていきたいと
決意している毎日なのだ

私は生きたい、心の限りも
芸術にかがやいた火をつけて
命の限り、
無限の生と死のかがやきをもって
永遠の果てまでも

平和と人間愛の行き着く所への
不滅の志をもって
命の限り、たたかっていきたい

そして、地球の人々に告ぐ

未来は原爆や戦争をやめて
かがやいた生命を
永遠の永遠の永遠にあこがれた
私の精魂こめた芸術を見てほしい

あなたたちと一緒に宇宙にむかって
心から人間讃美をうたい上げよう
*2014年改訂(「永遠の永遠の永遠 2011」『草間彌生わたしの芸術』、建畠晢他著、グラフィック社、2019年、p166、)

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