2024年1月11日木曜日

暴力によっては暴力を一掃できない

 今、世界に目を向けると”暴力の連鎖”が止まりません。こんな時だからこそ、と、「”暴力によって暴力を一掃できない”/という剥き出しの真実」(「生命の輝きに興味を持って」にて)という言葉を紹介しました。
 しかし、この言葉は、草間彌生さんの言葉であるだけに、「水玉模様」や「憎しみと争いに満ちた地球」といった言葉との関連で語られると、その真実味がいっそう引き立ちます。
 そこで、五連の詩「私のヒーロー、リチャード・M・ニクソンへの公開質問状 1968」を八連の詩「暴力によっては暴力を一掃できない」に改編して紹介します。

「展示風景より、草間彌生《水玉強迫》」(「『毎日愛について
祈っている』展で迫る草間創作の新境地|美術手帖
」より)
  暴力によっては暴力を一掃できない

球はまるで
何百万もある天体の小さな水玉模様。

併用で静寂な天体の中、
憎しみと争いに満ちた地球。
皆さんと私とで
すべてを変えて新世界、
エデンの園をつくりましょう。

親愛なるリチャード様、
私たちは自己の存在を忘れ、
神と一体化しましょう。
裸のまま集まってひとつになりましょう。

大空を高く駆け上がれるよう、
身体に水玉模様を描き合い、
始めも終わりもない永遠の中に
エゴを滅却して初めて、

暴力によっては暴力を一掃できない

という剥き出しの真実を
発見するのです。

私があなたの力強い体に
優しく愛を込めて飾る球体の中に
この真実は記されています。

穏やかに! 
親愛なるリチャード。
雄々しい闘争心をなだめるのです。(「私のヒーロー、リチャード・M・ニクソンへの公開質問状 1968」『草間彌生わたしの芸術』、建畠晢他著、グラフィック社、2019年、p103より改編)

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