自殺よ待ってくれ粗雑なる人の世の狭間を
かろうじて駆け抜けて来た
わたしの長い長い来しかた。
顧みて幾度か自殺のナイフを首にあてて、
わたしは死のうと思い悩んだことだろう。
明暗に刻まれた人の世の影を踏みしだいて
自殺から思いとどまった生への掛け橋に
わたしはこの命の陰りを
振払い幾度かくぐり抜けた生への危機。
そして思い直してふたたび立ち上がったわたくし
芸術への陽炎(かげろう)のような道標にすがりついて
長かりし自らの歩み来たりし
命の輝きへの願望か きらびやかなる生への希望を
心に抱いて幾年月をくり返しのなかで、
あっという間に年老いてしまったわたしに
溢れ出る白髪、この驚き。
「くさま」、
このわたしの生き方に光をともしてくれる
人間美の求道の日々を顧みて、
わたしは迫りくる自殺への憧れを
炎に燃やし尽くすべく
ふたたび絵具と画布にむかいぬ
人生は美しい
そして自滅の響きにこたえるべく、
今日の一日を 明日の一日を
わたしは死を乗り越えて生きていけるだろうか。
そして永遠に見えることのない 生と死の輝きのなかを
果てることもなく終わりまでも生きたいと思う。
自殺よ待ってくれ、
わたしは生きていかれるのだろうか
わたしの芸術に聞いてみる。(「草間彌生より愛のメッセージ 2006」『草間彌生わたしの芸術』、建畠晢他著、グラフィック社、2019年、p156)
「行動の先に希望がある。行動を続けることで未来は切り開かれる」(サルトル) 「人間は進化する存在。今の自分を超えて、創造的であり続ける『超人』を目指せ!」(ニーチェ) こうして社会に発信するというささやかな行動を通じて、一歩でも二歩でも、未来を切り開いていける存在でありたいです。
2024年1月18日木曜日
自殺よ待ってくれ
なぜだか知りませんが、自殺者数は毎年一定数あって、なかなか下がりません。どうすれば、自殺願望者は「自殺を思いとどまる」ことができるのでしょうか。その特効薬はないかもしれませんが、自殺したいほどの苦しみを抱え込んでしまったら、その苦しみを決して頭の中で苦しむことをやめて、その苦しみを言葉にして(日記や短歌、詩など)してほしい。そうして「迫りくる自殺への憧れを/炎に燃やし尽く」してほしい。そのようにして「死そのもの」を考えることです。そのとき、ここで紹介した「自殺よ待ってくれ」などの、死のうとした人たちの作品を読むことも重要です。自分だけが苦しいのではない、ということがわかるからです。
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