そうした野党共闘は、対等互恵の関係であるべきである。そこで気になるのが、自ら前衛党と名乗る日本共産党の存在だ。言っていることが素晴らしくても、どうしても上から目線になってしまう。そう受け取られても仕方がない。それでは、真の共闘は難しいだろう。
そんな私の考えを代弁している発言を見つけた。「民衆を上から指導する前衛党などで構成される、古い共産主義的体制」という次のマイケル・ハート氏の「〈コモン〉から始まる、新たな民主主義」からの一節である。日本共産党には、この所を一考していただき、野党共闘にさらなる奮闘をお願いしたいものである。
斎藤 民主的な方法で〈コモン〉を管理するという経験が、民主的な政治と制度のための基礎になるわけですが、〈コモン〉(common)の自主管理を基盤とした民主的な社会というのは、実のところ〈コミュニズム〉(communism)に他ならないわけです。
MH まさしくそうです。新しい時代のコミュニズムを考えるならば、まず〈コモン〉から出発しなければなりません。コミュニズムを、国家による社会統制、国家による経済統制、民衆を上から指導する前衛党などで構成される、古い共産主義的体制として考えるのではなく。かつてのソ連のような体制は、現代におけるコミュニズムの新たな可能性を見誤らせるだけです。私たちは〈コモン〉から出発するべきなのです。(『未来への大分岐:資本主義の終わりか、人間の終焉か?』、マルクス・ガブリエル他著、斎藤幸平編、集英社、2019年、p66)
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