北朝鮮が飛翔(ひしょう)体2発を発射したことを受け、国連安全保障理事会は3月31日、テレビ会議システムを通じて非公開で対応を協議した。英国とフランス、ドイツが要請し、協議後には英仏独を含む欧州6カ国から北朝鮮を非難する声明が出されたが、全会一致の見解は出されなかった。
北朝鮮は29日に日本海に向けて短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射。声明は「世界の平和と安全をむしばみ、(核やミサイルの開発を禁じる)安保理決議に明確に違反するものだ」と批判した。ドイツ代表部によると、協議では「新型ウイルスの世界的流行で世界的な連帯と協力が最優先されるべき時に、北朝鮮は無責任にも国際の安定を危険にさらしている」などの意見が出たという。(ニューヨーク、2020年4月1日朝日新聞)
このような北朝鮮核問題は今に始まったことではなく、20数年来からくすぶっている問題である。なぜ、根本的な解決に至らないか。
それは、核保有国の核保有を問題視せず、核保有国が小国による核保有を問題視し、批判しているからに他ならない。次のような家永三郎さんの批判が雄弁に物語っている。
昨今朝鮮民主主義人民共和国の核疑惑が国際問題化している。たまたまいくつかの国が公然と核を保有しながら、北朝鮮だけを疑うのはどういう資格によるのだろう。今年三月二五目の『朝日新聞』「声」欄に「核保有国が、他国に対して核を持つなと言うこと自体説得力を欠いている」という投書が出ていたが、まさにそのとおりではないか。(「まず核兵器全廃を!」『私が思うこと』、家永三郎著、民衆社、1995年、p129)
この記事を読んで、『朝日新聞』の投書の内容を知りたくなった(幸い、放送大学の学生は、朝日新聞の記事を自宅にいて検索できる)。大宮市 横山謙(会社員 30歳)さんによる「北朝鮮核問題の平和解決急げ」という投書だった。家永さんによる引用部分を詳しく紹介すると、
「米国を中心とした国連の制裁路線にも疑問を抱かざるをえない。経済制裁で北朝鮮を孤立させることが、事態の好転につながるだろうか。むしろ態度を硬化させてしまうように思えてならない。また核保有国が、他国に対して核を持つなと言うこと自体が説得力を欠いている。こんな時こそ、日本が積極的に平和的な問題解決に乗り出すべきである。日本にはその能力と義務があると思う」(1994年03月25日、朝日新聞)。
「核保有国が、他国に対して核を持つなと言うこと自体が説得力を欠いている」から、一向に問題は解決に至らず、結果、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の建設問題まで浮上してきた。
北朝鮮核問題は、「イージス・アショア」の建設で解決するわけがない。「(核やミサイルの開発を禁じる)安保理決議」や「核禁止条約」を、核保有国も、核疑惑のある国にも、等しく適用していく以外にはないのでる。
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