吉本隆明を通じて、新しいフランスの女性思想家シモーヌ・ヴェイユの存在を知った。吉本隆明がシモーヌ・ヴェイユの「徹底ていな平和主義」というものを次のように紹介していたのだ。
徹底した戦争観というのがあって、戦争というのは、一見すると、この国とこの国の利害が対立してチャンバラをするというように見えるけど、本当はそうじゃなくて、相手の国の民衆によって自分の国の民衆を殺させることだという定義があるんです。つまり「相手の国の労働者、民衆によって自分の国の労働者、民衆を殺させることだから、戦争は絶対に駄目だ」という考え方。これは平和主義といっても、レーニン、スターリンの平和主義ともまるで違う平和主義です。でも、徹底的な平和主義なんですよね。
毛沢東は戦争には正義の戦争と不義の戦争とがあると言っています。ここまでくれば戦争肯定そのものです。戦争というと、国と国が戦うみたいだけれども、本当は自分の国の民衆を相手の国の民衆に殺させることで、どっちにしても支配者は損をしないで、どちらかの国の民衆が損をするだけだ。だから、戦争なんて絶対やるなっていう、これがいちばん徹底した考え方です。これはフランスの女性の思想家のシモーヌ・ヴェイュという人が言ったんです。
そう言って彼女は、ロシアのマルクス主義に反対だと言ったんですけどね。(『僕なら言うぞ! 世紀末ニッポンの正しい眺め方、つきあい方』、吉本隆明著、青春出版社、1999年、p206)
シモーヌ・ヴェイュという人は本質をついた考えを持っているようなので、どんな著作があるかを調べてみた。そして、興味のある書名が並んでいて、また、読む楽しみが増えた。まず初めは、『哲学講義』(シモーヌ・ヴェイユ著、アンヌ・レーノー編、人文書院、1981年:アンヌ・レーノーの筆記した講義ノート)を読んでみたい。以下書名を列記すると次の通り。
『根をもつこと 上・下』、シモーヌ ヴェイユ著、岩波書店、2010年
『重力と恩寵』、シモーヌ ヴェイユ著、岩波書店、2017 年
『自由と社会的抑圧』、シモーヌ ヴェイユ著、岩波書店、2005年
『ヴェイユの言葉』、シモーヌ ヴェイユ著、みすず書房、2003年
『シモーヌ・ヴェイユ選集 1・2・3』、 みすず書房-、2012年
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