赤旗日曜版に、『アンブレイカブル』(柳広司著、KADOKAWA、2021年)の紹介記事「恐怖政治は”合法的”に進む」があった。その中で、例え悪法でも、法に「基づいているという合法意識」があって、弾圧なども「正義に基づいている」という意識が働いているという。そうした意識は、今の「香港やロシア、日本にもつながる」というから驚く。
本書では、治安維持法を体現するような冷酷な″内務省のクロサキ″が続けて登場し、不気味な存在感を放ちます。
「権力の側には、治安維持法に基づいているという合法意識があります。自分たちが合法であり正義だと。それはいまの香港やロシア、日本でもそうでしょう。この小説で書いたような状況は、弾圧を正当化する法律と官僚組織があれば、いつでも発生しうることです。特高警察も憲兵も、自分たちの仕事を遂行することで権力によるテロリズムとなり恐怖政治につながりました。では、どうするのか。そこで立ち止まって考えるための、普遍的な問いかけになればと思ってこれを書きました」(赤旗日曜版、2021年4月4日号)
実は、この記事で初めて作家の柳広司さんの存在を知った。図書館にも、柳広司さんの著書がだいぶ入っていた。読んでみたいと思った本は次の通り。
『アンブレイカブル』、柳広司著、KADOKAWA、2021年、内容紹介:1925年、治安維持法成立。太平洋戦争の軍靴の響きが迫るなか、罪状捏造に走る官憲と信念を貫く男たちとの闘いが始まった-。小林多喜二、三木清…。法の贄となった、敗れざる者たちの矜持を描く。『象は忘れない』、柳広司著、文藝春秋、2016年、内容紹介:原発事故で失われた命、電力会社と政府の欺瞞、福島から避難した母子が受けた差別…。福島第一原発を題材に紡がれた連作短編集。『最初の哲学者』、柳広司著、幻冬舎、2010年、「ソクラテスの妻」(文春文庫 2014年刊)に改題、内容紹介:この世には、解いてはならぬ謎がある-。ギリシアをモチーフにした13の掌編から解き明かされる、歴史を超えた人間哲学。すべての物語の原点がここにある。『二度読んだ本を三度読む』、柳広司著、岩波新書 新赤版、2019年、内容紹介:繰り返し読んだ名作は、やはり特別な作品だった! 小説家が名作を再読し「本は自分自身を写し出し、遠くの世界と自分をつないでくれていた」ことに気づき…。全ての人に贈る読書案内。
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