2021年4月18日日曜日

一人で最期も悪くない

 文藝春秋で、有働由美子さんの対談記事が連載されているが、5月号の対談相手は上野千鶴子さんだった。最近出版された『在宅ひとり死のススメ』(上野千鶴子著、文春新書、文藝春秋、2021年)が人気のようで、図書館でも、十六人待ちだった。
 当然、「在宅ひとり死」というのも話題になっていて、これまでの「孤独死」という暗い、不安を醸し出すような言葉を「在宅ひとり死」という言葉にしてくれ、それだけでも、一人で最期を迎えるのも悪くない、と新たな選択肢を示してくれた意義は大きいと思った。
先ずは、予約がなかった『おひとりさまの老後』(上野千鶴子著、法研、2007年)という本を読んでみることにした。
 もう一つ、目を開かされた言葉があった。「社会変革というのは、本音の変化じゃなくて、建前の変化なんです」という上野千鶴子さんの言葉だ。続いて言う。

 例えば、身分制社会では忠義とか義とかがあって、主君のために腹を切るのが、その時代の建前です。その時代だって建前通りに動く人間は少数派です。多くの人は肚の中はずるかったり逃げようとしたりします。その忠や孝が、国家に対する愛国心に変わり、やがて個人の人権に変わってきました。そうやって建前が変わっていけばいいんですよ。(p366)

 これをメモしたときは、なるほど、と思ったが、こうして書いてみると、なぜか、違和感を抱くようになってしまった。<喩え建前という共通項でも、愛国心と人権を同列に置いていいものか?>といった疑問が湧いてしまったのだ。愛国心が叫ばれていたとき、人権という概念もあったからだ。「社会変革というのは、人権といった普遍的な価値の拡大である」といった方がいい。スッキリする。そう思えてきた。

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