2021年4月3日土曜日

アートには人を癒す働きがある

 現在私は、二つの美術館の年間パスポートを持っている。多い時は、県内の三つになることもある。企画展の場合、一回見て終わりにしたくないし、何度も見て初めてその良さがわかる絵もあるからだ。
 特に私は、解説記事を読んで、いろんな思いを触発されることが多い。だから、解説は丁寧に読むようにしているが、それでも、2回目で気付かなかったことを発見することもある。こうした美術鑑賞は、一面的で、いろんな鑑賞のあり方があることを『美術は魂に語りかける』は教えてくれる。「道具としてのアート」という発想自体が素晴らしかった。
道具としてのアート
 道具は、私たちが本来持っている力をさらに伸ばしてくれる。アートも同様で、いわゆる「心の弱さ」、つまり身体的というよりも精神的な弱点を補ってくれる。本書は、デザイン、建築、工芸を含むアートには人を癒す働きがあり、鑑賞者を導き、刺激し、なぐさめ、よりよい自分にしてくれると考える。
 道具は身体の延長であり、 目的達成を助けてくれる。身体能力が不足しているから、人は道具を必要とする。私たちは、モノを「切る」必要があるが自分の体ではできないので、ナイフに頼る。水を運ぶには瓶を使う。
 ではアートは何のためにあるのか?
 それを探るには、 自分の心や感情の満たされない欲求に目を向けてみよう。
  すると心の七つの弱さ、すなわち七つのアートの働きが浮かび上がってくる。もちろんこのほかにもあるが、多くの人に共通し説得力を持っているのが、この七つなのだ(『美術は魂に語りかける』(アラン・ド・ボトン ジョン・アームストロング著 ダコスタ吉村花子訳、河出書房新社、2019年、p11)

アートの七つの働き
一、愛しい思い出を記憶にとどめる。
三、つらい人生に希望を与える。
三、悲しみを受け入れる。
四、欠けている感情を補いバランスを取る。
五、混沌とした自分自身を理解する。
六、よりよい人生を探求する。
七、欲望や不満を感謝の気持ちへと変える。

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