2020年2月3日月曜日

三大能力(才能・集中力・持続力)

 『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹のエッセイ集、文藝春秋 、2007年)を読んで、彼が1日平均で10kくらい走っていることを知った。そんな彼が、小説家の資質は、才能、集中力、持続力だ、と次のように書いている。

 このような能力(集中力と持続力)はありがたいことに才能の場合とは違って、トレーニングによって後天的に獲得し、その資質を向上させていくことができる。毎日机の前に座り、意識を一点に注ぎ込む訓練を続けていれば、集中力と持続力は自然に身についてくる。これは前に書いた筋肉の調教作業に似ている。日々休まずに書き続け、意識を集中して仕事をすることが、自分という人間にとって必要なことなのだという情報を身体システムに継続して送り込み、しっかりと覚え込ませるわけだ。そして少しずつその限界値を押し上げていく。気づかれない程度にわずかずつ、その目盛りをこっそりと移動させていく。これは日々ジョギングを続けることによって、筋肉を強化し、ランナーとしての体型を作り上げていくのと同じ種類の作業である。刺激し、持続する。刺激し、持続する。この作業にはもちろん我慢が必要である。しかしそれだけの見返りはある。優れたミステリー作家であるレイモンド・チャンドラーは「たとえ何も書くことがなかったとしても、私は一日に何時間かは必ず机の前に座って、一人で意識を集中することにしている」というようなことをある私言の中で述べていたが、彼がどういうつもりでそんなことをしたのか、像にはよく理解できる。p109


  集中力と持続力は、小説家に限らず、何をするにも大切な資質だと思うので、それを向上させることができるとすれば、勇気も湧いてくる。

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