最近読んだ『自衛隊』(星野安三郎著、三一書房、1963年)に、日本国憲法が制定された昭和22年当時の、自信と誇りに満ちた生き生きとした姿と、その後の「自信と誇り」が揺らぎ出した頃のことが簡潔に書かれていた。
この憲法によって、世界の歴史上はじめて、人的力、物的富のすべてを、戦争や軍備に使うことを強制されなくなり、自由で豊かで平和な社会の建設にだけ使うことを保障され、平和は武力によらず、平和を欲するすべての国民と協力して守ることをきめたことによって、まさに、軍備全廃の時代にはじめて人類が享有できる生活を、世界にさきがけて行なうことが可能となったのである。このような戦争放棄と軍備禁止の第九条と平和憲法の意義については、憲法制定当時の国会論議、さらに文部省の憲法のはなし、新聞論調などに強調されており、それこそが、日本の生き残る唯一の道であり、世界に誇る所以だと、自信と誇りをもって語られていたのである。この平和憲法は、二二年五月三日施行されるが、僅か半年後に、その方向はぐらつき出してきた。それは、二三年一月六日、アメリカのロイヤル陸軍長官によって、対日政策の転換声明が出されたからである。すなわち、アメリカにとって、重要な植民地市場の喪失を意味する中国の独立の可能性が高まったことに対応して、対日政策を初期の非軍事化から強力な反共防波堤に作りかえるよう政策を転換するという声明であった。(『自衛隊』、p225、下線は引用者による)
例によって、星野安三郎で検索し、『吉川経夫著作選集 第5巻』を見つけた。「松川判決の教訓」など、興味ある論考もあって吉川さんがどんな思想の持ち主か、楽しみである。これこそ「類は類を呼ぶ」だから、星野安三郎さんのような素晴らしい思想の持ち主であろう、と予想して楽しみにしている。
| タイトル | 吉川経夫著作選集 第5巻 |
|---|---|
| 著者 | 吉川経夫著 |
| 出版者 | 法律文化社 |
| 出版年 | 2001.6 |
| タイトル | 著者名 | ページ |
| 刑事裁判における事実の証明 | ||
| 期待可能性理論の動向 | ||
| 期待可能性の理論をめぐる最近の判例について | ||
| 松川現地調査に参加して | ||
| 全逓・都教組事件における被疑者の勾留却下の裁判 | ||
| 砂川判決の問題点 | ||
| 不信感を裏書きした判決 | ||
| 検察官は被告に有利な証拠をみせなくてもよいか | ||
| 東京地裁刑事第一四部への疑問 | ||
| 安保裁判の一年 | ||
| 松川判決の教訓 | ||
| 「ポポロ事件判決」批判 | ||
| 学説・判例刑法案内 | ||
| 予防検束の復活 | ||
| 凶器準備集合罪 | ||
| 白鳥決定 | ||
| 飯田橋事件 | ||
| 中止未遂 | ||
| おとり捜査 | ||
| 納金スト | ||
| ビラの貼付は器物の損壊にあたるか | ||
| 「日の丸」強制掲揚に対する抗議行動と可罰的違法性 | ||
| 大学の自治と学生の権利 | ||
| 税務職員による質問検査権行使の限界と公務執行妨害罪の成否 | ||
| 盗犯等防止法一条一項の正当防衛といわゆる相当性の要件 | ||
| 判例における違法性の諸問題 | ||
| 人権無視の裁判 | 正木 ひろし/対談 | |
| 日本の裁判 | 鎌形 寛之/ほか鼎談 | |
| 恵庭判決 | /ほか座談 | |
| 恵庭判決をめぐる諸問題 | 池田 政章/ほか座談 | |
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